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成年後見人制度について②
カテゴリ:不動産売却について  / 投稿日付:2025/09/14 17:27

成年後見制度を利用して不動産を売却する過程は、所有者の意思確認にとどまらず複数の法的手続きを伴うため、慎重に進める必要があります。

本章では、後見制度の手続き上の流れと注意すべきポイントについて解説します。


1. 任意後見制度の利用可否
認知症などで判断能力が不十分になる前であれば「任意後見制度」の利用が可能です。

任意後見制度



任意後見契約は、公正証書によって締結され、契約締結時には公証人が医師の診断書や利害関係人からの聞き取りを参考にして、委任者の判断能力を慎重に評価します。

この制度は、将来の判断能力低下に備えて財産の管理や処分をまかせるためのものですから、委任内容は契約自由の原則に基づき自由に設定できます。

しかし、通常は標準的な代理目録を参考に、不動産、動産などの保存、管理・処分、金融機関との取引、定期的な収入の管理や支出など広範な事項が選択されます。

ただし、任意後見制度は判断能力が不十分となることを前提に設けられているため、すでに判断能力が不十分な場合は利用できません。その場合は成年後見制度を利用することになります。


2. 成年後見制度の申立て
成年後見制度を利用するためには、家庭裁判所への申立てが必要です。

申立人は、配偶者、4親等内の親族、成年後見人等、任意後見人、任意後見受任者、成年後見監督人等、市区町村長、検察官に限定されており、利害関係があっても弁護士や媒介業者は申立人として認められません。

余談ですが、成年後見制度における申立ての代理申請や書類作成を業として行えるのは弁護士と司法書士のみで、税理士、行政書士、社会保険労務士、社会福祉士などは、制度に関する相談や支援、書類作成のサポートは可能ですが、申立ての代理は行えません。

また、申立書に記載された候補者が必ずしも選任されるわけではない点にも留意が必要です。

家庭裁判所は、申立書や候補者の適任性を慎重に審査し、最終的な後見人を選任します。

したがって、申立書に記載した候補者が選任される保証はありません。

また、申立てには医師の診断書が必要である点にも留意が必要です。


成年後見制度用,診断書


さらに、提出された診断書に記載された判断能力に疑義が生じた場合には、家庭裁判所が鑑定を行う場合があります。

この鑑定費用は申立人の負担となり、10万から20万円程度の費用を納める必要があります。


3. 後見人による財産管理
後見人が選任されると、被後見人の財産を適切に管理する責任が生じます。

後見人は被後見人の利益を最優先し、無駄な浪費や不正な支出は許されません。

後見人による財産管理状況については、裁判所への定期的な報告(後見監督)が義務付けられており、財産目録や出納帳、領収書、預金通帳の写しなどの提出が求められます。

また、居住用不動産の売却や解体、賃貸契約の解除などについては、事前に家庭裁判所の許可を得る必要があります。

許可なく行った処分行為は無効とされるため、注意が必要です。

また、居住用不動産の処分や解体には正当な理由が求められ、例えば施設入居費用を捻出するためや、空家の防犯・維持管理の観点から必要である、あるいは固定資産税や維持管理費の負担を軽減するためなど、明確な理由と証明が必要です。

4. 売却の実行
家庭裁判所からの承認を得た後、売買契約の締結が可能となります。

売買契約時には、手付金や残代金は被後見人名義の口座で管理し、取引に関する書類(売買契約書、経費の明細書、価格の相当性を示す書類など)を保管する必要があります。

売却後も後見人は、取引の透明性を確保し、適切に管理を行う責任を負います。

5. 後見人の責任と報告
売却手続きが完了した後も、後見人には被後見人の財産管理に対する責任が残ります。

売却金の使途については、収支報告書に詳細に記載し、後見監督に備えて出納帳への記録や領収書の保管が不可欠です。

~③に続く~





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