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改正空家対策特措法について②
カテゴリ:不動産売却について  / 投稿日付:2025/10/25 12:23

今回の改正で、必ず押さえておきたいのが下記の2点です。

●特定空家増加の防止措置強化
●所有者特定のために必要な情報収集に関しての権限強化

まず1つ目の「特定空家増加の防止措置強化」について解説します。

特定空家増加の防止措置強化

焦点は『管理不全空家』の増加防止です。

まず「管理不全空家」の定義について解説しますが、空家対策特別措置法において、「適切な管理が行われていないことにより放置すれば『特定空家』になる恐れのある空家」とされています。

これは「特定空家予備軍」と覚えておけば良いでしょう。

旧法においても特定空家に該当するのを防止するために必要な「指導」、それによっても改善が見込まれない場合には、措置を「勧告」できる権限が市区町村には認められていました。

ですが「勧告」は、当事者にたいし「こうしたほうが良いですよ」と、公的な立場から勧めているに過ぎません。確信犯にたいしては効果が薄かったのです。

理由は単純に、「罰則」が設けられていなかったからです。

自治体はこれまでも特定空家の増加を防止するため、独自に条例を制定するなどして努力を重ねてきました。空家対策に関する実態調査結果を見ると、積極的にそのように行動した78の自治体については、およそ36.8%の空家について管理不全状態が改善されたとの報告もあります。

ですが残りの63.2%(大半の自治体はそれ以上)の空家については改善されていません。

空家が放置される理由は、遠方に住んでいるため管理できない、費用がないなど理由も様々でしょうが、適切に管理しなければ劣化が進み、放置を続ければやがて居住できない状態に陥ります。そうなれば残る選択肢は解体しかありません。

ですが解体には相応の費用が必要ですし、解体すれば住宅用地特例が適用されず固定資産税が高くなってしまう。

それなら利活用の方針が定まるまで放置しておこうと考える。

そこで、勧告まで進んだ空家には「住宅用地特例を除去」する改正が行われました。

住宅用地特例は居住用家屋に賦課される固定資産税のうち、敷地にたいしての税負担を軽くするために設けられている課税標準の特例措置です。

具体的には次の通りです。

●小規模住宅用地(200㎡まで)
課税標準額の6分の1を価格として計算(固定資産税)
課税標準額の3分の1を価格として計算(都市計画税)

●その他住宅用地(200㎡を超える部分)
課税標準額の3分の1を価格として計算(固定資産税)
課税標準額の3分の2を価格として計算(都市計画税)

勧告を受けても放置を続ければ、その結果、特例措置が除去され、固定資産税が最大で6倍になるのですから、所有者も緊急に対応する必要が生じるでしょう。



強権発動の壁

旧法でも特定空家に対しては、勧告から命令、最終的には行政代執行による除去までが認められていました。

所有者の所在が明確であれば、除去の費用は当然に請求できます。

支払わない場合には国税徴収法により所有者の財産を「差押」ることもできます。

強権発動の壁

ですが、所有者の所在が判明していなければなかなかに難しいのです。

特定空家に指定されているとしても、不動産は個人の財産です。強権発動するにも手順は煩雑ですし、所有者の居所が不明の場合は立て替えた費用の回収も困難です。

そのような理由から市区町村は、なかなか行政代執行による解体まで踏み切れなかったのです。

そのため、所有者の調査における市区町村の権限を強化することが必要でした。

これが今回の改正における、もう一つのポイントです。

【③に続く】




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